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大倉商店 休憩所
創業以来70年、製材機械、木工機械・修理、刃物販売・研磨を主軸の業務とされている大倉商店の社員休憩所をリニューアルする計画です。
近年ではこれまでの業務に加え、新たに木工に特化したシステムやソフトウェアの販売など、取り扱われている商品は多岐にわたってきています。
このように時代と共に変化していく商品に比例して、多様化する社員の労働環境の向上やコミュニケーションを促すための場所となることを目指して計画が始まりました。
そこで、以前の休憩所があった既存プレハブの中に、新たに計画する休憩所を入れ子状に挿入することで、様々な大きさや質の「隙間」を生み出す計画としました。
入口付近の「隙間」は気軽に利用できる半屋外の休憩スペース、日当たりの良い南側は植物等を置いて庭のような明るい空間、出入りの少ない裏側は物置として利用したりと、プレハブ特有の単調な空間を緩やかに分節し、休憩だけに限らず多様な使い方ができるようにしています。
また、きちんと空調された空間や、軒下のように自然の光や風が通り抜ける半屋外の空間など、ひとつの休憩所の中に異なる温熱環境を設けたり、人や外部との様々な距離感を設定することによって、利用者それぞれの労働環境や気分に応じて色々な「休み方」が選べるようにもしています。
仕上げには製材機械をほうふつとさせる金属膜の壁を用いることで、休憩所内の「隙間」に周囲の風景が映り込み、新旧の様相が混ざり合うことで、70年にわたって積み重ねてきた会社の歴史を感じさせるような空間としています。
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