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嵐の家
宇和島市津島町嵐に建つ住宅の改修計画です。
クライアントからは「周りには何もない」とのことでしたが、敷地に伺うと南側には果樹園、北側には桜やビワ・栗畑が広がり、特徴的な地名のとおり、海からの季節風が谷間に沿って流れ込んでくる自然豊かで美しい場所でした。そこで、クライアントの「日常」になりすぎてしまっている敷地の特徴を十分に活かし、魅力あるものとして、その価値を「再発見」できるような計画としました。南側の開口部は、もともと二つの開口部を一つにまとめて大開口とすることで、見慣れた風景はいつもとは違った見え方となり、開閉式のトップライトを新たに設けることで、室内に取込んだ空気が滞ることなく排出されることを体感できるようにしました。また、コストを抑えるため、定期的なメンテナンスが施されていた外壁や屋根は極力既存のままとして工事範囲を必要最小限まで減らし、内部から耐震・断熱補強を施す改修方法としました。ディテールや仕上げに関しては汎用性のあるものとすることで、DIYが得意なクライアントが部分施工できるように配慮しました。新設したウッドデッキに面して配置した手摺兼フェンスは、気軽に布団を干したり、農作物や魚を乾燥させるために吊るしたり出来るように、土木的な擁壁の上に元からそこにあったかのような既製品を選定しています。全体を通して、劇的な変化というよりも敷地周辺に存在する光や風をきちんと導き、再利用できるものは再利用するといったように、そっとガイドラインを引き直していくような感覚で改修内容やその範囲を決定していきました。
BEFORE
PROCESS
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