愛媛県松山市二番町のテナントビルにおけるコーヒースタンドの計画です。
テナント床面積は約7.5坪、総席数は多くはないですが、店内にはテーブル席やソファ席・カウンター席・待合席など、色々な種類の席を設けました。そのため、自分だけの時間を過ごしたり、仲の良い友人とおしゃべりしたり、店主との会話を楽しんだりと、利用客それぞれの多様な「過ごし方」や「居場所」をつくりだしています。また、テナント外壁面をセットバックさせ、店内の床面積を減築することによって入口部分に新たに軒下空間を設け、そこへ小さなテラス席を配置することで、店内外飲食やテイクアウト等、多様化するニーズにも対応できるようにしています。

一年のほとんどを開きっ放しにした入口の扉や窓からは、淹れたてのコーヒーの香りや店内に流れる心地良い音楽、中央にドスンと置かれた重厚なカウンターや蒸気を上げるエスプレッソマシンの存在感、常連さんと店主との会話や笑い声など、店内の空気感やそこで発生するコミュニケーションまでもが都市空間へと溢れていくように計画しました。